2022年11月1日より、日本帰国(入国)時のC.I.Q.(税関審査・出入国管理・検疫審査)に関する手続き方法が変更になりました。税関申告書や出入国カードなど、今まで「紙ベース」の申告書が主だったこれらの審査手続きが、オンライン上で一元管理され簡素化されます。
これまで日本の縦割り行政の弊害で、所管省庁ごとにバラバラだった手続きを一つにまとめたのが「VISIT JAPAN WEB」になります。税関審査は財務省、出入国管理は法務省、検疫審査(ヒト)は厚生労働省、動植物検疫は農林水産省が各々管轄しています。実は東京オリンピックの開催に合わせて、各省庁はオンライン化を既に進めていました。しかし、省庁毎にバラバラにシステムを提供したため、これまでは非常に使い勝手が悪く、登録方法が煩雑になっていました。これらをデジタル庁が1つの窓口にまとめました。使い勝手は別にしても、日本の役所としては、かなり画期的な事例となりました。
目次
VISIT JAPAN WEBの手続き方法
メールアドレスとパスワードを登録し、新規アカウントを作成することにより、VISIT JAPAN WEBを利用することが可能になります。一度作成したアカウントは、次の海外渡航でも再度利用することが可能になります。一度アカウント登録した個人情報(氏名・住所・パスポート番号など)は、情報を訂正するかアカウントを削除するまで引き継がれます。頻繁に海外へ渡航される方にとっては、便利なシステムになりました。スマートフォンでも充分に登録可能なユーザーインターフェースになっています。アカウント作成方法やVISIT JAPAN WEBの登録方法に関しては、デジタル庁が発表するこちらの資料を参照してください。
VISIT JAPAN WEB 登録画面URL: https://www.vjw.digital.go.jp/
VISIT JAPAN WEB登録の一連の流れ
アカウント登録が完了すると、VISIT JAPAN WEBを利用して帰国(入国)手続きを行うことができるようになります。紙ベースの申告書に帰国便の機内で必要事項を書き込む手間は無くなります。登録事項は下記の3点になります。
検疫手続き(ファストトラック)
ファストトラックとは、帰国前に事前にパスポート情報とワクチン接種証明書や新型コロナウィルス陰性証明書をオンライン登録することにより、検疫審査をスムーズに済ませる手続きになります。もともと厚労省が管理していた「MySOS」アプリがVISIT JAPAN WEBに統合され、一元管理できるようになりました。ただし、プラットフォームが統合されただけで、中身はMySOSのままで運用されています。MySOSの当初の利用目的は、海外から帰国し最長14日間の隔離要請が出されていた2020年~2021年の期間に、隔離(自宅待機)中の帰国者・入国者の行動を監視していたアプリケーションでした。現在は、ワクチン接種証明書や陰性証明書の信憑性を確認するための仕組みとして利用されています。登録必須項目は、下記の通りです。登録手順に関しては、こちらを参照してください。
- パスポート情報登録:パスポートの写真面をアップロードします。
- 質問票WEB:日本到着日・利用便名・日本での住所・海外滞在先・体調情報などの質問項目に答えてゆきます。
- ワクチン接種証明書のアップロード
- ワクチン未接種の場合は、出国前72時間以内の陰性証明書(検査証明書)のアップロード
これらの項目を全て登録すると、QRコードが表示されます。このQRコードを検疫審査の際に提示することにより、検疫審査手続きが簡素化されます。
なお、これらの手続きは搭乗便到着予定日時の6時間前まで(船舶利用の場合は出航24時間前まで)に事前登録を完了させる必要があります。これは、検疫係官が事前登録した情報が正しい書式・ワクチン種別等で登録されたかどうかをチェックするために必要な時間です。つまり、日本到着後に登録を行っても、ファストトラックは利用できないことになります。
入国審査
この部分はインバウンド旅客(外国人)が利用する項目になります。日本人および再入国の外国人は登録不要です。
税関申告
携行品・別送品申告書に必要な事項を記入し、QRコードを取得します。空港にある電子申告端末でQRコードを読み取り、税関検査場電子申告ゲートを通過することが可能になります。電子申告ゲートの利用方法については、財務省関税局が案内するこちらの情報を参照してください。税関申告手続きに関しては、日本帰国後にターンテーブルで機内預け荷物が出てくるまでの時間を利用して、登録を行っても充分間に合います。ファストトラックとは違い、税関申告は受付時間の制限がありません。
VISIT JAPAN WEBが利用可能は国際空港は現在7カ所
VISIT JAPAN WEBを利用して税関申告が可能な日本国内の国際空港は、現在7カ所のみです。他の空港は国際線が就航していても、まだこのシステムを利用することができません。現在利用可能な国際空港は下記のとおりです。「検疫」(ファストトラック)の部分は国内の全ての国際空港で利用が可能ですが、下記の7カ所以外の空港は税関検査電子申告ゲートの準備がまだ整っていません。
成田国際空港 | 羽田国際空港 | 関西国際空港 |
中部国際空港 | 福岡空港 | 新千歳空港 |
那覇空港 |