日本の水際対策。自宅待機期間を3日間に短縮する際の申請手続きが電子申請システムに移行

出入国情報(日本)

2021年12月22日追記】アフリカ南部で発生した新種のコロナウィルス変異株(オミクロン株)の世界的感染拡大により、日本の水際対策は全面的に強化されることになりました。一連の水際対策緩和措置は停止され「年末年始の状況を見極めつつ当面の間、水際対策は延長」となります。その間、日本政府により外国人の新規入国は拒否され、行動制限緩和のための申請業務も停止されます。帰国するワクチン接種済の日本人・永住者に対する10日間への待機期間短縮措置も停止となり、帰国者は無条件で14日間自宅待機を行う必要があります。厚生労働省の発表はこちらを参照してください。

自宅待機を3日間に短縮する申請手続きが、電子申請システムへ

2021年11月17日、日本政府及び厚生労働省は日本の⽔際対策強化に係る新たな措置(19)実施要領第2版を発表しました。11月8日より実施されている水際対策の待機期間短縮措置は、その手続き方法があまりにも煩雑で、しかも、審査に長い時間を要しているため、各方面から批判が集中しています。申請時の煩雑さを緩和させるため、政府は手続きを電子申請システムに移行する旨を発表しました。
2021年11月25日付で、業所管省庁が経済産業省以外の各省庁も電子申請に対応できるようになりました。厚生労働省が発表した詳細情報はこちらを参照してください。縦割り行政の弊害で、手続きが複雑になっています。経済産業省以外の各省庁の電子申請の流れに関しては、別記事でご紹介します。

日本の水際対策。ビジネス目的の日本人帰国者に対し、自宅待機期間を3日間に大幅短縮へ。

縦割り行政の弊害が露呈する電子申請システム

【2021年11月25日付で、各省庁とも電子申請に対応できるようになりました】

日本のビジネスパーソンが海外から帰国する際に、自宅待機期間の短縮申請を行う場合は、経済産業省・国土交通省・文部科学省・農林水産省などの所管省庁へ所定の必要書類を揃えて申請する必要があります。(各省庁申請窓口一覧はこちら)申請手続きのスピードアップと煩雑さの解消を目指して、申請方法を電子申請システムに切り替えていますが、日本特有の縦割り行政の弊害が露呈しています。政府の発表を受けて、11月17日の段階で電子申請システムの要綱をホームページ上で発表したのは、経済産業省だけでした。申請が集中しそうな文部科学省・農林水産省や国土交通省からはまだ電子申請システムの要綱は出ていません。水際対策のお膝元である厚生労働省も、申請システムについてはまだ情報がありません。所管省庁が経済産業省管轄の業種の会社は電子申請システムを利用して待機期間短縮の申請が可能になりましたが、他の省庁が管轄する業種の会社は電子申請を行うことができない状態にあります。今のところ経産省だけが先行しており、他の省庁は全く連携が取れていません。先行する経産省、対応が遅れる他の省庁。水際対策の管理責任を各省庁に丸投げした厚生労働省の弊害がこのような形で出ています。

自宅待機期間を3日間に短縮する際の申請手続きが電子申請システムに移行。各省庁が対応可能に。

gBizIDという壁

経済産業省の申請画面を見ると、先ずは申請のために「gBizID」を取得する必要があると案内が出てきます。ただでさえ煩雑な申請作業にまた一つ新たな手間が増えます。「gBizID」とは、経済産業省からデジタル庁へ業務移管された電子申請システムです。gBizIDには大きく分けて「プライム」と「エントリー」の2つのアカウントカテゴリーがあります。経済産業省の申請マニュアルを参照すると、「プライム」アカウントを原則利用するようにと書かれています。ただし、「プライム」アカウントを取得するためには、法人の印鑑証明書を取得して申請書を添えて郵送でアカウント登録申請を行う必要があります。履歴事項全部証明書では無く、印鑑証明書を取得しなければなりません。既にアカウントを取得済の企業・法人は、そのアカウントを利用して、申請手続きに進むことができますが、アカウント未登録の企業・法人はただでさえ面倒な申請作業を行う前に、もう一つ面倒なアカウント登録申請作業が待っています。

GビズIDは、法人(個人事業主も含む)のための「共通認証システム」です。1つのGビズIDアカウントで、複数の行政サービスを利用することができます。たとえば、ものづくり補助金やIT導入補助金などの申請、経営力向上計画や事業継続力強化計画などの認定申請、社会保険の手続き、飲食店の営業許可申請などが、インターネットからできるようになります。2020年11月からは、e-Gov(電子政府の総合窓口)の電子申請サービスも、GビズIDで利用できるようになりました。利用できる行政サービスは、年々広がっています。

「電子申請」と聞くと、難しそうで二の足を踏む人も多いと思います。しかし、ものづくり補助金・IT導入補助金・事業再構築補助金などの申請に電子申請は欠かせません。これからの企業経営に、電子申請は欠かせないものになるはずです。この機会に、GビズIDについての理解を深め、積極的に活用していきましょう。

*経済産業省・中小企業庁ホームページより引用

gBizIDを使った申請方法について(業所管省庁が経済産業省の企業・法人が申請する場合)

gBizIDを使ってログインした後の申請画面は、比較的分かりやすい画面になっています。経産省の具体的な操作マニュアルはこちらを参照してください。

1)申請専用サイトからgBizIDを使ってログインする。

経済産業省 申請システム

*専用サイトのURLはこちら

2)「電子申請を開始する」⇒「申請一覧へ進む」をクリック

経産省申請画面2

3)「経済産業省水際措置に係る申請手続き」をクリック

4)中央右側の「+新規申請」ボタンをクリックし、申請手続きを開始する

この管理画面で、新規申請や審査済証のダウンロード・PCR検査結果報告・受入検査報告を行うことができます。

経産省申請画面4

*具体的な新規申請手順については、こちらの操作マニュアルを参照してください。(全部で41ページあります・・・。)

電子申請で必要な書類一覧

・事前に様式をダウンロードして必要事項を記入の上、アップロードする書類

  1. 誓約書【様式2】(入国・帰国者用と受入責任者用の2通用意する必要があります。全部で12ページあります!)
  2. 活動計画書【様式3】(記載例が下部タブ2に記載されています)

・コピー(写し)が必要な書類

  1. パスポート(写真面)のコピー

・申請フォームへ直接入力する書類(項目)

  1. 申請書【様式1
  2. 入国者リスト【様式4
  3. 受入結果報告書【様式5

短縮要件などの具体的な条件や待機期間中の行動制限については、こちらの記事を参照してください。

日本の水際対策。ビジネス目的の日本人帰国者に対し、自宅待機期間を3日間に大幅短縮へ。

このシステムはいつまで続くのか

現行の帰国後待機期間を3日間に短縮するための条件は、ワクチン接種済の日本人帰国者に対しては手続きがあまりにも煩雑過ぎるため、申請を断念して10日間自宅待機する方も大勢出てくると予想されます。特に受入責任者の負担と責任は莫大なものがあります。早晩システムが改善されることを願わずにはいられません。

日本帰国後の自宅待機(自己隔離)期間が14日間から10日間へ短縮。日本の水際対策、10月から条件付きで緩和へ。

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新型コロナウィルス感染状況の変化により、日本のみならず、世界中の国々が頻繁に隔離政策や出入国情報を変更・訂正しているのが現状です。当サイトでは最新の情報をお伝えするべく、日々情報の更新を行うよう努めておりますが、各国政府の政策発表がその更新スピードを上回るケースも見受けられます。実際に海外へ渡航する予定のある方は、外務省・厚生労働省・法務省・在外日本国大使館・JETRO・JICA・各国の政府観光局・利用予定航空会社などが発表する最新情報を必ず確認していただき、絶えず情報を修正することを強くお勧めします。理由の如何に関わらず、当サイトに掲載されている情報によって生じるいかなる損害についても、編集人および運営会社は責任を負わないものといたします。

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